メリット
(なんでもない歯を削りたいですか?)
ブリッジはなくなった歯の両隣の歯を大きく削る必要があります。ただ、もともと神経を抜いて被せ物をしているなどの場合はブリッジの方が負担が少ないことがあります。ケースバイケースです。
(力の分散)
噛む力を顎の骨が直接受け止めるので、他の歯に過剰な負担がかかるのを防ぐことができます。
(噛むところが増える喜び)
入れ歯のような留め具がないので、自分の歯と同じような感覚が得られます。
「歯ぐきから歯が生えている」状態を再現できます。
インプラント
インプラントと聞くと、「高い」「自費治療」「大手術」「リスク」といった怖いイメージをお持ちではないでしょうか?どうしてもそう言ったイメージが先行してしまい、インプラントと聞いただけで「インプラント以外で」と即答されることが多く感じます。
歯を失った場合、その部分を補う方法は大まかに分けて「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の3つがあります。
インプラントは失った部分の回復において、非常に有効な手段です。もちろんどんな処置においてもリスクや適応症例といったものはあります。一般的によくやられる「ブリッジ」という方法は、入れ歯のような煩わしい取り外しや心理的な負担は少ないものの、汚れの停滞や健全な歯を多く削る必要があります。
何を選択するかはご自身の考え方や価値観次第です。「インプラント」と聞いて、「インプラント以外で!」ではなく、正しい「情報」と「選択・判断する基準」を明確にすることによって「選ぶ」ということが必要だと思います。
インプラント治療とは、簡単に言うとチタンのネジを骨に埋め込む処置と言い換えることができるでしょう。近年DIYと言う言葉を耳にしますが、壁にネジを埋めこんで、棚とか机を作ったりすることですが、イメージとしてはそんな感じです。ただ砂浜にネジを打っても固定できないように、しっかりとした地盤(骨)が必要になります。
従来は、歯を失った治療法としてブリッジや入れ歯が一般的でしたが、近年はインプラント治療を希望される患者様が増えています。
ブリッジはなくなった歯の両隣の歯を大きく削る必要があります。ただ、もともと神経を抜いて被せ物をしているなどの場合はブリッジの方が負担が少ないことがあります。ケースバイケースです。
噛む力を顎の骨が直接受け止めるので、他の歯に過剰な負担がかかるのを防ぐことができます。
入れ歯のような留め具がないので、自分の歯と同じような感覚が得られます。
「歯ぐきから歯が生えている」状態を再現できます。
日帰りで2~3時間程度の手術が必要になります。
インプラントを入れたあとは、骨と結合するまで待つ必要があります。
症例によりますが、診断から治療終了まで3~8ヶ月くらいかかることが多いです。
治療費は10割負担になるため、保険治療と比較して高額になります。
インプラントを正しく埋入した場合でも、約3%ほどの確率で骨と結合しない場合があります。 骨の条件が悪い場合は成功率は下がります。 骨とつかなかった場合は、一度除去して、再度埋入するか、別の方法で歯を補うことになります。
1
治療前の検討
レントゲン写真や歯周病検査の記録、歯型の模型などをもとに、どの位置に何本インプラントが必要かを検討します。
2
3Dシミュレーション
CT撮影等を行い、顎の骨がインプラントに適した状態か、どのインプラントをどういった術式で埋入すべきか等をシミュレーションします。スキャナーで歯型を取ります。
3
検査結果を元にカウンセリング
①②で得た資料とシミュレーションをもとに、インプラントの治療計画を作成し、患者さんの希望も聞きながら最適なプランをご提案します。
また、この時点で詳細な料金のお見積もりや、治療にあたっての細かい注意事項をご説明し、患者さんの意思の再確認を行います。
4
サージカルガイドの作製
基本的に、安全を優先するためガイドの作製をします。耳に綿棒を入れるとき、誤って奥に入れすぎると鼓膜を破ってしまいます。インプラントの場合、フリーハンドでやると骨を突き破ってしまい、神経や血管を突き破ってしまう事があります。それを防ぐために、ドリルが決まった位置以上に進まないようにガイドというマウスピースのようなものをはめてもらうことにより、手術中のエラーを防ぐことができます。
またガイドを使う事により無駄な侵襲や手術時間の大幅な短縮にもつながります。(口があかない、ガイドが入らない、嘔吐反射などの適応外の場合もあります。)
3Dプリンターを用いてサージカルガイドを作成します。
サージカルガイドは穴のあいたマウスピースのような装置で、ガイドを用いるとCTシュミレーション上のインプラントの位置・角度を実際の口の中で正確に再現することができます。
5
インプラント手術 (お支払1回目)
インプラントを入れる手術を行います。所要時間はだいたい2-3時間です。
支えとなる骨が不十分な場合は、他部位の骨や人工骨を移植する術式などを併用することもあります。
手術は1回法と2回法があり、1回法ではインプラントの頭のパーツが歯ぐきから見えている状態で手術を終えますが、2回法の場合は歯ぐきの中にインプラントを埋めてしまって治りを待ちます。
6
インプラントと骨の結合
インプラントが周囲の骨と結合するのを待ちます。
患者さんの骨の状態にもよりますが、2~6ヶ月くらいの期間がかかります。
7
二次手術(2回法の場合のみ)
歯ぐきを再度切開して、インプラントの頭の部品を取り付けます。
8
仮歯の作製
型取りを行い、仮歯(チタンの芯+プラスチック)を取り付けます。
この際に、かみ合わせや舌の違和感、頬を噛むなどといった問題がないかを確認し、調整します。
9
被せ物の装着
再度型取りを行い、最終的な人工の歯を取り付けます。
10
メンテナンス
清掃方法の指導をさせていただき、定期的なメンテナンスで管理していきます。
残念ながら、先天性疾患等のよほど特殊なケースでない限り、インプラントは保険適用にはなりません。自由診療となり、ケースによってかかる料金も変わってくることがあります。
保険治療の自己負担額と自由診療の負担額の合計が年間で10万円を超える場合は、医療費控除の対象となる場合があります。
ただし、どこまでが控除の対象となるかの基準は明確でないため、必ず控除できるとは言えません。控除の申請をお考えであれば、国税庁のホームページをご覧頂くか、お近くの税務署にお問い合わせ下さい。
インプラントは保険外診療であり、料金は歯科医院ごとに個別に設定されています。
使っているメーカーや術式の違い、治療後の保証の違いなどにより、料金設定は変わります。
また、歯科医院によっては、骨に埋める支えの部分だけの料金が記載されていることがあります。その場合、人工の歯やそれを取り付けるための部品などの料金が別途かかります。
インプラントをお考えの場合は、当院を含め、料金の内訳を必ず確認するようにして下さい。
インプラントを入れるために顎の骨に穴を開けますが、直径4mm程度のものであり、それによって骨がもろくなるということはまずありません。
逆に、インプラントで噛み合わせを回復することで、骨に適度な圧力が伝わり、周囲の骨が丈夫になることが知られています。 これは、入れ歯やブリッジでは得られないメリットと言えます。
インプラントはチタン合金でできており、十分な強度があるため、通常の噛む力で壊れることはまずありません。
ただし、極端に強い歯ぎしりや食いしばりがある方は、ごく稀にインプラントが壊れたり、支えている骨がダメージを受けることがあります。そういったケースの多くは事前に予測ができるため、食いしばりの癖を直したり、歯を守るためのマウスピースをご提案する事もあります。
むし歯があっても、歯磨きがしっかり身についていればインプラントは可能です。
歯周病がある場合には注意が必要です。
インプラントは、天然歯以上に歯周病になりやすく(インプラント周囲炎といいます)、歯周病治療をしっかり行った上でインプラント治療を開始します。
通常のインプラントであれば、CT、MRIともに影響はほぼありません。 喉や口底部、脳などの精密検査などにも全く影響しないので、ご安心下さい。
ただし、入れ歯を補助的に支えるためのインプラントで、磁石を組み込むタイプの場合に限っては、MRI撮影を行うとインプラントの周囲数センチにノイズか入ります。
この場合は必ず事前にご説明しますし、検査前にネジ止めの磁性体パーツを取り外せば通常通りMRI検査を行う事ができます。
基本的には普通に歯磨きして大丈夫ですし、電動歯ブラシも問題ありません。ただ、インプラントと人工歯の連結部分の形は天然歯と若干異なるため、歯ブラシの当て方や補助的な清掃用具など、少し工夫が必要な場合もあります。
必ずしも歯の本数とインプラントは同じである必要はありません。
例えば連続する奥歯3本を失った場合、真ん中の歯を省いて2本のインプラントで3本分のブリッジにしたり、清掃性を良くするために一番奥の歯を省いて手前2本にインプラントを入れたりすることも多いです。
また、失った歯の本数が多かったり、土台となる歯茎が極端に減ってしまった場合は、1~数本のインプラントを埋入して、入れ歯を補助するための支えとして利用する場合もあります。
状況や予算に合わせて、インプラントの活かし方は様々であるため、来院時にご相談下さい。